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8月は円高?(USD/JPY)

2014/07/21


前回のアノマリーは、「月曜日の円高」をUSD/JPYを題材にして調べました。
今回は、アノマリーとしては横綱級に有名なものにしましょう。


テーマ: 8月は円高になる?


8月が円高になるというのは、体感的にも良く分かるという方もいらっしゃるでしょう。
というのは、ちょうどお盆休みでのんびりしているところへ円高が訪れてしまい、冷や汗をかいた・・・という経験をされた方もいらっしゃるだろうからです。 

しかし、「体感」では不十分です。
お金を投入することを考えるならばやはり、過去はどうだったかを数字で確認すべきでしょう。

では、前回と同じ条件で検証しましょう。

通貨ペア: USD/JPY
検証期間: 2005年7月1日~2014年6月30日(9年間)


「月曜日の円高」の検証でも9年間で検証しました。
しかし、1年間は52週あります。よって、 9年間で52回×9年=468回くらいの月曜日がありました。

今回は9回しかありません。

そこで、検証期間を20年程度にしようかとも考えましたが、このシリーズでは9年間で統一します。
というのは、仮に20年間で検証した結果が良好だったとしても、直近9年間が不調ならば、アノマリーとしては不十分でしょう。
逆に、過去20年で不調でも、直近9年間が良好ならば、現在のアノマリーとして有効だと判断できそうだからです。

さて、前置きが長くなりました。
過去9年間でUSD/JPYが8月に円高になった確率は・・・!
(下にスクロールしてください)

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「55.6%」


バックテストの計算式を間違えたか?と思い、手作業でも確かめました。やはり、55.6%です。
具体的には、円安4回、円高5回です。年別にした表は下の通りです。
○が書いてある年が、8月に円高になった年です。



最近2年間は円安傾向だったことが分かります。 円高のイメージが強い2008年も円安でした。


もう少し詳細に調べましょう。
円安になったときにはどれくらい円安になるのか、その平均値を調べます。円高も同様に調べます。

円安になるとき: 平均で105銭の円安
円高になるとき: 平均で186銭の円高
9年間の平均:  57銭の円高

こうしてみると、円安になるときよりも、円高になるときのほうが大きく円高になっています。この結果、9年間全体の平均値で見ても円高となっています。
これが、8月の円高のアノマリーの正体かもしれません。


さらに、別の視点から調べましょう。
冒頭にも書いたように、8月の中でもお盆の時期に円高になるのかもしれません。 
そこで、検証方法を以下の通り修正します。

8月10日始値と8月20日終値を比較して、円高になった割合を調べます。
10日が休日の場合は、その前の営業日(9日)とします。9日も休日の場合は、8日とします。20日の場合も同じように考えます。


その結果、円高になる確率は・・・


55.6%

・・・同じでした。

平均値は以下の通りです。


円安になるとき: 平均で64銭の円安
円高になるとき: 平均で185銭の円高
9年間の平均:  74銭の円高

月初~月末で計測するよりも、円安になるときの円安幅が小さくなりました。円高になるときの大きさは、ほぼ同じです。この結果、9年間全体で見ると、円高になる幅が大きくなりました。

なお、円高になるときの大きさがほぼ同じと言っても、わずか10日間です。
8月の1か月間で達成された円高と、お盆の10日間で達成された円高の幅が同じなのです。
お盆の時期の円高速度がとても速いことが分かります。


「8月の円高」というよりも「お盆の円高」のほうがふさわしいかも知れません。


今回の検証の結果:
直近9年間において8月の円高はほぼ正しいが、「お盆の円高」のほうが、より正確だろう。
 

では、この結果をどのようにトレードに生かすかを考えてみます。
全体としては円高傾向が確認できたとはいえ、1年に1回しかトレードできません。

仮に、今年の8月8日(金)に売って8月20日(水)に清算するトレードを考えます。

このトレードで利益を得られる場合、満足できます。この記事を読んで良かった!というわけです。
しかし、損になる場合、次の取引チャンスは来年です。1年間も待たなければなりません。
しかも、1年間待った結果が再び損失になるかもしれません。

実際のところ、2012年と2013年は連続で円安となりました。
このため、8月になったらUSD/JPYの売り、という簡単なトレードは難しいのではないでしょうか。

別途何かのインジケーターなどを準備しておいて、その売買シグナルに従いながらトレードすることになるでしょう。
そして、そのシグナルが円安を示唆するときは、いつもよりも利益を少なめで清算。
円高を示唆するときは、いつもよりも少し強気に利益を狙ってみる、そんなトレードが可能かも知れません。



最後に、前回と同様に、USD/JPYの9年間のチャートと8月の円高の傾向を比較しましょう。



8月が円高になった年は、2005、2007、2009~2011年です。
2005年と2007年は円安傾向、2009~2011年は円高傾向でした。

円高時も円安時も8月の円高が示現していますので、2014年も円高を期待できるかも知れません。
2012年と2013年の8月が円安傾向にあることが、少し気がかりです。


→ 8月は円高?(EUR、GBP、AUD)


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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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