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インジケーター詳細解説:平滑移動平均線で単純移動平均背のデメリットを克服

2015/10/09


今まで2回にわたり、単純移動平均線について考察してきました。単純移動平均線はとても分かりやすいインジケーターながら、いつも相場の先行きを正確に示すわけではないこと、そして、その欠点を緩和するための方法を考えました。


今回は、単純移動平均線が抱えるもう一つのデメリットを回避するために考案された移動平均線を考察します。 

 

単純移動平均線が抱えるデメリット


単純移動平均線が抱えるデメリットを一言で書くならば、為替レートの変化に対して反応が遅いということです。

例えば、9日移動平均線を考えましょう。 9日移動平均線は、過去9日間の終値の平均値をつないで線にしたものです。前日の終値と9日前の終値について、特に区別することなく計算しています。

すると、あまり動いていなかった相場が急に動き出した場合、為替レートは大きく上昇または下落方向に進むのですが、9日移動平均線の動きは為替レートと同様には早くありません。

というのは、急激に動いた本日の値動きは9分の1の価値しかありません。9日前の為替レートも計算に含まれていますから、移動平均線はゆっくりとした変化にならざるを得ません。 

この様子を、チャートで確認しましょう。下のチャートは米ドル/円(USD/JPY)の日足チャートです。楽天証券(旧FXCMジャパン証券)から引用しました。赤線は21日移動平均線、黄色の線は9日移動平均線です。



画面中央下に黄色い矢印があります。ここが底値です。そこから毎日のように為替レートは上昇を続けますが、9日移動平均線は21日移動平均線の下で動いています。まだ買いシグナルは出ていません。

2週間ほど円安になり続けて、ようやく9日移動平均線が21日移動平均線を下から上に抜けました。買いシグナルです(右側の矢印)。「よし、買いシグナルだから買おう!」と思っても、実際に買えるでしょうか。買いシグナルが出るまでに、9日間連続で円安になりました。

仮にここで買っていたら、大きく反落しています。損切りになってしまったかもしれません。買ってからの円高で損切りにならなければ、その後の円安で息を吹き返しますが、それは偶然かもしれません。買った直後に大きく円高になってしまうのは気分が悪いです。

この問題が発生してしまうのは、「単純移動平均線は為替レートの動きに対して反応が鈍い」からと考えられます。

 

平滑移動平均線で、単純移動平均線が抱えるデメリットを回避


このデメリットを回避したい!という思いを多くの先人が持っていたのでしょう。この欠点を回避する数多くの移動平均線が知られています。ここでは、平滑移動平均を採り上げましょう。

細かい計算は脇に置きまして、一言で書くならば、「直近の為替レートを重視し、日数が遠い昔の為替レートの重要度を下げる」という計算をします。

これによって、直近の値動きをより大きく反映した移動平均線が完成します。具体的にチャートで確認しましょう。



最初のチャートと同じUSD/JPYで、期間も同じです。赤線は21日移動平均線のまま変更していませんが、黄色の線は9日平滑移動平均線に変更しました。

チャート中ほど下に黄色の矢印があります。ここが底値です。そこから徐々に為替レートが円安になります。単純移動平均線では、9日後にゴールデンクロスが出現しました。しかし、今回の場合はそれよりもずっと早い段階で買いシグナルが出ています。

単純移動平均線でのシグナルよりも精度が高くなっていることが分かります。

では、その後、チャートの右端を過ぎた後の値動きを確認しましょう。下のチャートをご覧ください。



単純移動平均線で買っていたら、損切りで終わるか、損切りを回避してもハラハラドキドキの状態を経験する必要がありました。平滑移動平均線ならばそのような感情を持つことなく、この上のような大きな円安に恵まれたかもしれません。

損切りで終わるか、大きな利食いで終わるか。その差はとても大きいです。

 

平滑移動平均のデメリット


上のようなメリットを有する平滑移動平均ですが、デメリットもあります。それは、為替レートに対する反応が速いため、いわゆる「ダマシ」に遭いやすいということです。

反応が鈍いとトレードの機会を逃すかもしれない・・・、しかし、反応が速すぎてもダマシに遭いやすい・・・。トレードは難しいです。これらのメリットとデメリットを勘案して試行錯誤しながら、自分にとって最良の移動平均線を探していくことになります。

なお、楽天証券(旧FXCMジャパン証券)のチャートでは、様々な移動平均線を使えます。その種類は9にも及びます。様々な検証ができそうです。
 
→ インジケーター詳細解説:単純移動平均線(基礎編)
→ インジケーター詳細解説:単純移動平均線(実践編)
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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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