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アメリカの政策金利が上がると、ドル円(USD/JPY)はどうなる?

2015/05/25


初稿日:2014/09/01 終更新日:2015/05/25

アメリカ合衆国(以下、「米国」といいます。)の政策金利引き上げが視野に入ってきたかもしれません。
米国の政策金利を決定する連邦準備制度理事会の主要メンバーから、来年中の利上げを示唆する発言が相次いでいるためです。

景気の実態を見ても、最も重要な指標とみられる雇用統計や失業率は改善傾向が顕著です。物価がなかなか上昇しないことが懸念材料ですが、株価は過去最高値水準で推移し、地価の上昇も顕著です。

よって、政策金利がいつ引き上げられるかは不明ですが、遠くない将来に引き上げられる勢いです。
ちなみに、現在の米国の政策金利は0%~0.25%です。

一方、日本の政策金利である無担保コール翌日物については、引き上げの検討がなされているかどうかも不明です。日本では、日銀の政策委員が金利を引き上げることについて公に発言する段階になく、まだしばらく低金利のまま推移すると予想します。 
現在の日本の政策金利水準は0%~0.1%です。 


では、この状況で米国の金利が引き上げられるとしましょう。すると、日米の金利差が大きくなります。
金利が高いほうが、より多くの利子収入を得られます。米国の景気の改善が顕著なこともあり、円を持つよりも米ドルを持つ方が有利だと考える市場参加者が徐々に増えてくるでしょう。

その結果、USD/JPY相場は上昇する(円安になる)可能性が高いと予想できます。

しかし、これは予想です。過去はどうだったでしょうか。また、米国の政策金利引き上げと、USD/JPYの上昇にはどんな関係があるでしょうか。今回は、これを概観しましょう。
 

下の二つのグラフをご覧ください。上はUSD/JPYの推移、下は日米の政策金利の推移です。



これを見ると、米国の政策金利が上昇トレンドに入った年は3回あります。1994年、1999年、2004年です。
(参考までに日本の政策金利を見ますと、悪名高いバブル経済末期のダメ押しの政策金利引き上げ以降は、金利は下落トレンドです。)
では、1993年後半~1996年、1999年~2001年、2004年~2005年の為替動向を少し詳しく見ましょう。

☆ 1993年後半~1996年のUSD/JPY、米国政策金利及び日米政策金利差の推移は以下の通りです。


☆ 1999年~2001年です。


☆ 2004年~2005年です。


この3つを眺めて、言えることは何でしょうか(なお、1995年は阪神・淡路大震災がありましたので、その分を調整して考える必要があるでしょう)。

(1) 米国の政策金利が上昇する直前にかけて、円安になっている。
(2) しかし、政策金利上昇が始まると、円高になっている。
(3) 円高になった後で、本格的な円安になっている。
(4) その後、政策金利が下落過程に転じても、USD/JPYの円安傾向は止まらない。

すなわち、米国の政策金利が上昇トレンドになっても、USD/JPYは一方的に円安になるわけではありません。

為替レートは通貨と通貨の交換比率ですから、米国側の政策金利だけで決まるものではありません。そこで、日米金利差(赤線)もグラフに追加しています。しかし、日本の政策金利は低位に張り付いており、米国の政策金利だけで考えたときと同じ傾向がみられます。
 

では、これを参考にして今後のUSD/JPYのトレードを考えてみます。

(1) 政策金利上昇開始時期よりもかなり前に買っておくと、政策金利上昇開始直前までの円安で利益を得られる可能性がある。

(2) 政策金利上昇開始後、10円以上の円高を覚悟する必要がある。すなわち、売りで稼ぐ機会がありうる。

(3) 本格的な円安のときに利益を得る目的ならば、今はまだUSD/JPYを買わなくても良い。政策金利が引き上げられて半年経過してからUSD/JPYを買っても、十分間に合う。

(4) 金利上昇過程が終了しても、即座に円安傾向が終了となるわけではないので、我慢してポジションを維持する。


過去の経験が「そのまま」当てはまるならば、上記の方法で良いと考えます。今慌ててUSD/JPYを買う必要はないでしょう。(1)については、2014年から2015年にかけて過去と同じ動きをしています。すなわち、(1)を事前に知っていれば、USD/JPYを買って儲けることが可能でした。

しかし、過去そうだったからと言って、将来もそうなるという確証は何もありません。
これが困るところですが、過去の経験が外れる可能性を視野に入れるならば、こんなトレード方法が候補になるかも知れません。

○ 毎月少しずつ買う

これは、最終的には円安になることを期待してトレードする方法です。途中で円高になって含み損になることがあっても、少しずつ買っているのでダメージは限られますし、円高でも買うことにより、平均建値を引き下げる効果を期待できます。

他にもいろいろな方法があるでしょう。
正解はないので、皆様も考えてみてください。


ただし、今までの考察は、「近い将来に米国の政策金利が上昇する」ことを前提にしています。この前提が崩れる可能性も考えておきましょう。例えば、中東情勢やウクライナ情勢が極めて悪化して米国の景気回復どころではなくなる、欧州経済が世界経済の足を引っ張る、などが考えられます。

最後に、 この上下動を捉えてトレードをするのに適した会社を考えましょう。

過去の状況を考えれば、買う場合も売る場合も数か月~1年以上ポジションを維持し続けるでしょう。そして、利益は銭単位でなく円単位で狙いに行きます。このため、スプレッドで0.1銭でも狭い口座が必要というわけではありません。また、これは値動きを捉えて稼ぎますので、高いスワップポイントが必要というわけでもありません。

スワップポイントについては、むしろ厄介者です。

買うときには問題ありません。USD/JPYで米国の金利が上がればプラスの利益が大きくなるでしょう。問題は売るときです。数か月~1年程度、ずっとマイナスのスワップポイントに耐えなければなりません。

それ以上に利益を得られれば良いのですが、相場はいつも勝てるとは限りません。為替レートの動きで損するうえにスワップポイントでも損失が大きい・・・そんな事態は避けたいです。

そこで、「スワップポイントが一本値」の会社を選択肢にしても良いでしょう。すなわち、売りと買いのスワップポイントの絶対値が同じ会社です。

例: USD/JPYの1日当たりのスワップポイントの大きさが、買いの側で2円、売りの側で-2円


通常は、マイナスのスワップポイントの絶対値のほうが大きくなっています。

例: 買いの側で2円、売りの側で-12円

この差で、FXサービスを提供する会社は利益を得ています。売りと買いで絶対値が同じということは、会社の利益がないということです。会社にとって不利である・・・すなわち、顧客にとって有利です。スワップポイントが一本値の口座としては、DMMFXを挙げることができます。DMMFXのUSD/JPYスプレッドは0.3銭ですから、スプレッドの面でも有利です。
 
→ アメリカの政策金利上昇後:米ドル/円(USD/JPY)の円高目途をチャートで占う
→ 米国政策金利が上昇すると、なぜ米ドル/円(USD/JPY)は円高になるのか
→ 米国の政策金利が上がっても、米ドル/円(USD/JPY)が円高にならない場合 
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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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