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FXスワップ派は有効か?(上)|スワップはもう時代遅れなの?

2014/09/04


「よっしゃあ!今日も何もしてないのに1,600円儲けたぜ!ビールがうまい!」



・・・FXのブームを振り返ると、2005年~2007年くらいまで、いわゆるスワップ派がとても人気がありました。スワップ派とはすなわち、スワップポイントで稼ぎつつ円安の利益も狙おうという方法です。

2007年7月のスワップポイントは、こんな感じでした(10,000通貨あたり、1日の金額)。
USD/JPY(米ドル/円): 160円くらい
AUD/JPY(豪ドル/円): 160円くらい

10,000通貨持つだけで、自動的に毎日160円が得られたのです。1年間で6万円弱の計算です。
円安傾向でしたので、含み益も得やすい状況でした。

数多くのブログがスワップポイント万歳!という感じで溢れていたような記憶があります。
冒頭の「よっしゃあ!」と言っている人は、AUD/JPYのロングで10万通貨持っているということです。


しかし、その後の展開はみなさんご存知の通り。
2008年に為替レートが一気に暴落して、多くの人が強制清算の憂き目にあいました。

時期を同じくして、スワップポイント万歳!と書いていたブログも消えていったような気がします。
現在もスワップポイントに焦点を当てたブログは数多くありますが、全盛期の勢いはないと思います。


しかし、スワップポイントを狙うトレードは本当にダメなのでしょうか?もう時代遅れなでしょうか? 
今回は、これについて考えましょう。
 

以下の条件で検証しました。
毎月ロングを建ててポジションを維持し、2014年7月31日の終値で全て清算したと仮定します。

検証期間     : 2005年7月1日~2014年7月31日
通貨ペア      : AUD/JPY 
ロングを建てる日 : 毎月初日の始値
取引数量     : 1回につき10,000通貨
清算日        : 2014年7月31日の終値
スワップポイント  : くりっく365の実績値を使用

その結果は、以下の通りでした。


ポジション総数     : 109万通貨(AUD/JPYを109回買いました)
利益を得たポジション : 108万通貨
損になったポジション  : 1万通貨(2013年5月のポジション)



これは、とても興味深い結果と言えるのではないでしょうか。
109回買って、利益になったのは108回。損したのはわずか1回。勝率99%以上です。

リーマンショック前の高値でAUD/JPYを買っていたとしても、その後ずっと我慢してポジションを持っていたならば、2014年7月末時点で利益が出ているのです。

為替レートは毎日変動します。このため、為替差損益は毎日変動します。
しかし、スワップポイントは、ずっとプラスの値でした。すなわち、利益が増えることはあっても減ることはありませんでした。

スワップポイントが毎日毎日積み上がった結果、為替差損がでても利益を得られるという、強靭なポジションに成長していたのです。

下の図は、各月に建てたポジションがどれくらいのスワップポイントを得たかを示す図です(縦軸の単位は円です)。 



古いポジションになればなるほど、スワップポイントが多くなっていることが分かります。 
次に、2014年7月末日時点の差損益の状況を見ましょう。



為替差損益については、プラスの月もマイナスの月もあります。
この値は、いつを基準にするかで損益が大きく変わります。現在は円安水準ですので、差損益は利益になっているポジションが多いです。しかし、再び円高になれば、含み損となるポジションが多くなるでしょう。

最終的な損益は、スワップポイント益と為替差損益の合計になります。
古いポジションについては、少々の円高では損失になりません。最近建てたようなポジションでも、時間が経てば利益体質のポジションになることが期待できます。
 

次に、証拠金当たりの利益率を考えましょう。

(1) 投資額と同額の証拠金を準備した場合                            

すなわち、AUD/JPY=100円で10,000通貨買うとき、証拠金を100万円準備するということです。
これを109回繰り返します。

このとき、証拠金の額に対する利益の額の比率は27.8%です。
およそレバレッジ1倍でAUD/JPYを毎月買い続けた場合、 27.8%の利益を得たということです。

しかし、FXなのですから、 レバレッジを使いたいところです。

(2) AUD/JPY=50円になっても強制清算されないように証拠金を準備する場合      

この場合、証拠金の額に対する利益の額の比率は60.1%です。
2005年7月から毎月、9年間、何も考えずにただAUD/JPYを買い続ける。たったこれだけで、60.1%の利益を得られたのです。

では、なぜ多くの人がリーマンショックで大損を計上したのでしょうか。
その理由は、「レバレッジを高くしていた」 これが理由の大部分ではないでしょうか。

AUD/JPY=50円になっても強制清算されない証拠金を準備する場合、レバレッジは2倍くらいです。
この程度のレバレッジで我慢していれば、損しないで済んだかもしれません。


私がこの記事を書こうと思い立った理由は、
「FXは暴落で強制清算される問題が度々世間を騒がせるのに、外貨預金ではそんな話を聞かない」 
ということです。

外貨預金のレバレッジは1倍です。AUD/JPY=1円になっても強制清算されません。

FXをトレードする方は、外貨預金の利益では飽き足らないという場合が多いだろうと予想します。
しかし、それが裏目に出ているのかもしれません。

「儲けるためにFXをするが、儲けようとしないでトレードする。 」

これは矛盾していますが、これくらいの気持ちでロングを長期間持ち続ければ、利益を得やすいのかもしれません。 


なお、このトレードを実践する場合、最も気を付けるべきはマイナススワップへの転落でしょう。
これが実現すると厳しいです。 

では最後に、オーストラリアと日本の政策金利の違いを確認しましょう。政策金利差がスワップポイントに大きく影響するためです。



いかがでしょうか。継続的にオーストラリアのほうが高くなっています。
将来はどうなるか、もちろん分かりません。しかし、分析可能な将来においては、金利差の逆転(=スワップポイントがマイナスになる)を想定することは難しいです。

→ FXスワップ派は有効か?(中)
 FXスワップ派は有効か?(下)



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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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