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日銀の市場介入でFXは稼げる?|USD/JPY(米ドル/円)

2014/09/14


日銀の市場介入。最近は全然お目にかかれない単語になりました。
しかし、USD/JPYが75円~80円で低迷していた2011年においては、日銀の市場介入が為替レート維持あるいは円高防止の最終手段といった様相でした。

今回は、この市場介入で稼ぐチャンスがあるかどうか?を考えてみましょう。
 

まず、市場介入の実績とUSD/JPYレートを縦に並べてみましょう(市場介入額の単位は億円) 。上のグラフでプラスはドル買い円売り、マイナスは円買いドル売りです。(日銀ウェブサイトから引用)



上のグラフが日銀の市場介入額ですが、「外国為替平衡操作実績」 とタイトルがついています。市場介入の正式名称は「外国為替平衡操作(がいこくかわせへいこうそうさ)」というお堅い名前です。

また、余談ですが、市場介入するのは日銀ですが、 実行するかどうかを決めるのは財務大臣です。日銀が判断して介入しているわけではありません。


○ 市場介入の特徴                                          

USD/JPYとの関係を見る前に、市場介入額のグラフで分かることを見ていきましょう。 

(1) 日銀の介入は「ドル買い円売り」のイメージが強いですが、「円買いドル売り」の介入もあります。1997年~1998年に実績があります。

(2) 年を経るにしたがって、市場介入額が次第に大きくなっていることが分かります。1995年の市場介入額はおよそ5兆円でしたが、2011年には14兆3,000億円ほどとなっています。

(3) 1回あたりの市場介入額も、年を経るにつれて大きくなっています。2011年11月ごろには9兆円ほどが投じられています。1995年1年間の合計額をはるかにしのぐ額です。


市場介入額が次第に大きくなっている理由は何でしょうか。
額が次第に大きくなっているということは、USD/JPY相場に与える影響も大きくなっているのでしょうか。

1995年に市場介入が実行され、その後1998年にかけて大きく円安になっています。
2011年も同様です。しかし、市場介入額が3倍近くになっていますが、円安の程度は1998年の水準には至っていません(これから実現するのかもしれませんが)。

これはすなわち、市場介入して一定の効果を上げるために必要な額が増加しているということです。

下の数字は、国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施している調査から引用したデータ(BISの引用元ページはこちら)です。
世界中で1日に取引される通貨量です。

2007年4月 : 3.3兆ドル
2010年4月 : 4.0兆ドル
2013年4月 : 5.3兆ドル

桁が大きすぎて良く分からない数字です。試しに、3.3兆ドルを数字で書いてみましょう。

3,300,000,000,000ドル

この数字が「1日」の取引量だというのですから驚きです。1年ではありません。

BISの調査結果を見ますと、調査をするたびに数字が大きくなっていることが分かります。わずか6年で6割ほども取引量が増えています。単純に考えれば、10年で2倍です。

外国為替市場の規模がこのように大きくなると、為替レートに影響を与えようとして市場介入する場合、投入額を大きくしなければなりません。これが、市場介入額が次第に増えている理由でしょう。


○ 市場介入とUSD/JPY                                       

では、市場介入とUSD/JPYの関係を調べましょう。
日銀がドル買い円売りで市場介入すると、何年か経過した後に実際に円安となっている様子が分かります。逆も当てはまります。すなわち、日銀が円買いドル売りで市場介入したら、1年後くらいに円高になっています。

これを表にしました。
日銀の市場介入時に、日銀の売買と同じ方向に取引をした場合、実際に利益を得るチャンスがあったかどうかを示しています。



興味深いのは、市場介入をしたとき、その成果は介入直後のみでなく、むしろ1年以上経過してからも有効であるという点です。

市場介入には、強引にトレンドを変更する力が備わっているようです。

表の損益欄を見ると、利益を獲得する機会があったという場合が圧倒しています。
特に、「損益幅」欄で「巨大」と書いてあるときに日銀と同じ方向に取引していたら、その利益たるやすさまじいものがあります。

損益欄をよく見ると、損失になっているときが1回あります。しかし、その損失幅は他の利益幅に比べてとても小さくなっています。
また、この検証は月末レートを使っています。よって、市場介入でレートが上がってしまった時点のレートを使っています。そこで、まだ上昇している途中でポジションを建てることができれば、利益を獲得できたかもしれません。
 

さて、このトレード方法の問題点を探すとするならば、「次の市場介入はいつやってくるか?」です。
現在の状況から考えると、しばらくそのような状況にお目にかかれそうもありません。

そして、いつかその状況がやってきたとき、皆様にこの記事を思い出していただけるか?これも大変かもしれません。
「そういえば、何年か前に日銀の市場介入で儲ける方法がどこかに書いてあったような・・・?」という感じになるかもしれません。

つきましては、このサイトをブックマークに保存していただくとともに、皆様自身でも検証していただければ幸いです。


なお、実際に日銀の市場介入に遭遇するときにこの記事を覚えていたとしても、自分の資産を全額投入するようなトレードは止めましょう。この記事は過去を振り返っています。将来の値動きを確約するものではありません。




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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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