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値動きが制限された通貨ペア|EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)

2014/09/25


私たちが普段接する為替レートは、毎日のように変動します。

40年ほど前のUSD/JPY(米ドル/円)レートは300円台でしたが、今は100円台です。
GBP/JPY(ポンド/円)やAUD/JPY(豪ドル/円)なども、経済情勢を反映して日々レートが変動しています。

しかし、世の中には政策により為替レートがほとんど変動しない通貨ペアも少なくありません。中東産油諸国通貨(サウジアラビアやバーレーンなど)と米ドルの交換レートがその例です。

FXの視点でみると、何らかの理由で為替レートの変動が抑制されている通貨ペアと言えば、以下の4つが代表的でしょう。

USD/HKD (米ドル/香港ドル)
EUR/DKK (ユーロ/デンマーククローネ)
USD/CNH (米ドル/人民元)
EUR/CHF (ユーロ/スイスフラン)

今回は、この中でも様々な会社で取引が可能なEUR/CHFに焦点を当てて考察しましょう。
 

EUR/CHFの値動き                                     

下のグラフをご覧ください。直近6年ほどのEUR/CHFの値動きです。
2009年はEUR/CHF=1.5くらいで安定していましたが、2010年からスイスフラン高が進行し、2011年には急落(スイスフランが急騰)しています。

が、しかし、直後に為替レートが跳ね上がり、その後はEUR/CHF=1.2を少し上回るレートで動いています。2012年はほとんど値動きがありませんでした。



EUR/CHF=1.20の防衛線が採用された経緯                     

まだ記憶に新しいギリシャショックですが、2009年ごろ発覚しました。理由を簡潔に書けば、ギリシャが粉飾決算で大赤字の財政を隠していたことが露顕したことがきっかけです。

その後、悪い情報がよくもまあこんなに続くものだと思うくらいに、立て続けに報道されました。すると、次第にユーロの崩壊についても報道されるようになります。ユーロで財産を持ている人にとっては一大事です。どこかに資産を避難させなければなりません。

そこで避難先に選ばれたのが、スイスフランです。
世界で最も安全な資産の一つであるスイスフランが大きく買われました。買いが買いを呼び、2011年にはEUR/CHFが大きく下落(スイスフランが急騰)しました。

これは大変だ、というわけで、EUR/CHF=1.20以下にはさせないという政策をスイス中銀が打ち出したという経緯です。

なお、このスイスフラン急騰と防衛ライン設定に絡み、興味深い事象が2点ありました。


(1) ヒルデブラント・スイス国立銀行(スイスの中央銀行)総裁の辞任

ヒルデブラント総裁の妻がEUR/CHFを大量に買い、EUR/CHF=1.20の防衛ライン発動後に売り抜けて75,000スイスフランほど儲けたそうです。

インサイダー取引ではないか?との疑念が生じ、総裁が辞任するという結果になりました。

実際にインサイダー取引だったかどうかは不明ですが、政策立案にかかわる人々は家族の行動にも注意を払う必要があることを改めて示しました。また、為替の世界でインサイダー取引問題が生じることは極めて珍しいです。私の知る限りでは、この件以外で為替のインサイダー取引問題が生じた例を知りません。

(2) 諸外国からの反発ほとんどなし

日本がUSD/JPYで市場介入をすると、決まって他の先進諸国から懸念や反発の声が聞こえてきたものですが、EUR/CHF=1.20の防衛ラインを設定した時には、ほぼまったくと言ってよいほどに、他の西欧先進諸国から反発は聞こえてきませんでした。

これは、スイスの外交力の強さではないかと想像できます。日本の外交力の弱さ、日本と西欧先進諸国とのパイプの細さを改めて認識させる出来事でした。

EUR/CHF=1.20を利用したトレード                           

このようにして無理矢理設定されたEUR/CHF=1.20の防衛ラインです。市場は1.20よりも下に行きたい、スイス中銀はそうはさせまい、このせめぎあいが続きます。

この結果、EUR/CHFの値動きは以下のようになっています。



1.20~1.26という極めて狭い範囲で動いています。
これを利用して、例えば以下のようなトレードをすることが可能です。

・ ショートで稼ごうとする場合、EUR/CHF=1.20よりも上の値で利益を確定すると良いだろう
・ ロングで稼ごうとする場合、EUR/CHF=1.20前後か1.19台で損切り注文を発注すると良いだろう
・ 値動きが小さいので、小さな利益を数多く積み上げると良いだろう
・ EUR/CHF=1.20に近づいたらロングを建て、時折発生する大幅上昇時に売り抜けることもできそうだ

EUR/CHF=1.20のラインはスイス国立銀行が一方的に押し付けているレートですので、スイス国立銀行が市場圧力に負けてしまえば1.20よりも下にレートが動いていきます。

しかし、現状ではそうなっていないのですから、例として上記のようなトレード方法が想定できます。

EUR/CHFのスプレッドが狭いFX業者                           

上に書いたトレード方法でとても大切なことは何でしょうか。それは「スプレッドの狭さ」です。値動きがとても小さいのですから、スプレッドが大きくては利益を得ることが難しいです。そこで、0.1pipでも小さい会社で取引することが重要となります。

スプレッドが狭い会社の例を挙げますと、 DMMFXです。また、DMMFXはスワップポイントが一本値です。すなわち、買いと売りでスワップポイントの絶対値に差がありません。この点からも、EUR/CHFで利益を狙うために使う会社の候補になるでしょう。


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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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