FX通貨ペア分析シリーズでは、様々な通貨ペアとそれを構成する国を概観しながら、過去のおおよその値動きを紹介しています。そしてトレードの案も書いています。紹介しているトレードは案ですので損益がどうなるかわかりませんが、各記事で少し書いているだけです。そこで今回は、長期トレードの特徴について書きましょう。
FXトレード分析:EUR/GBPで使ったチャートをもう一度ご覧いただきながら、特徴を考えましょう。
特徴1: トレードチャンスは少なく、長期間待つことが必要
この回では三角保ち合い(ペナント)のパターンを4つご紹介しました。しかし、実現した取引機会は1回~2回です。2014年10月現在のレートは取引機会になるかどうか?という位置にありますが、まだ実現したとは言えないでしょう。
EUR/GBPの場合、20年間で取引機会が1回~2回。トレード方法は三角保ち合いだけではありませんので、数多くの手法を使用すれば取引機会がもっと増えるでしょう。しかし、日足や時間足等のトレードと比較するまでもなく、トレード機会は少ないです。
また、トレードを開始してから結果が出るまで、年単位で辛抱強くポジションを維持する必要がある場合もあるでしょう。このため、待つことが重要なな能力の一つになります。
とはいえ、会社によっては取引可能な通貨ペア数が40、50、またはそれ以上あるわけですから、通貨ペアのこだわりをなくしてトレードすれば、意外に取引機会は多いかもしれません。
特徴2: 利益になる場合も損失になる場合も、その大きさは巨大になりうる。
さて、トレードを開始したとします。 上のチャートを見ると、2007年後半にEUR/GBPでロングを建てた場合、最大で2,000pips以上の巨大な利益を得られたことが分かります。
一方、2006年にショートをしていた場合、数百pips以上の損失を計上した可能性があります。しかも、1年くらいポジションを持ち続けた結果の損失計上です。
長期間ポジションを持ち続けた結果、損失で終了。トレードですから、そういうことはあるでしょう。スイングトレードやデイトレードと比較して異なるのは、その獲得利益や損失の大きさ、そして結果が出るまでに要する時間の長さです。
ここで、デイトレードでUSD/JPYを10,000通貨で取引したと仮定しましょう。利益が50銭だったら5,000円の利益です。
ところが、同じ10,000通貨でも2,000銭(20円)の利益だったら、利益は50銭の40倍です。20万円です。わずか1万通貨の取引で利益が20万円。とてもうれしいことですが、それは同時に、損失も同様に巨大になりうるということです。
このため、取引数量を決める場合は、見込み利益と見込み損失が一体いくらになるのかを十分に検討する必要があるでしょう。
特徴3: トレードチャンスが長い時間継続する
対比しやすい例として、スキャルピングを例にしましょう。Aさんの様子です。
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Aさん: トレードチャンスだ!買いだ!うっ、でも・・・違うかも
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・
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(数秒経過)
Aさん: あっ!今のは買いだったか!しまった、チャンスを逃した!
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こんなこともあるでしょう。スキャルピングの難しさです。しかし、このシリーズで書いているトレード方法は、こんなに忙しくありません。
週末の1回だけチャートを確認し、トレードするかどうかを決めることも可能です。月末の1回だけという方法も可能でしょう。ということは、トレードチャンスの期間が長いということです。瞬発力は不要です。じっくり考えることができます。
というのは、長期のトレードの損益は、少なく見積もって数百pips、大きく見積もって数千pipsです。大相場の時期でもない限り、じっくり考えることが可能なのです。その間に動いてしまう数十~100pips程度は、誤差として片付けることが可能でしょう。
これは大きな利点です。毎日忙しく働いていらっしゃる方でも、取り組むことが可能です。
特徴4: スプレッドはあまり大きな問題ではない
今まで見てきたとおり、利益になる場合も損失になる場合も、その数字は大きくなります。このため、取引する会社のスプレッドを比較して狭いところを選ぶというのは、あまり価値がないかもしれません。
損益ともに巨大なので、スプレッドが0.1pip狭いところを一生懸命選んでも、誤差にもならないためです。
このため、取引する会社を選ぶ場合は、スプレッドよりも以下の点が重要になります。
・ 取引したい通貨ペアを扱っているか
・ 自分にとって取引しやすいシステムか
では、スプレッドは全く無視で良いかといえば、そうでもないでしょう。FXでトレードする場合、ここで紹介している長期トレードだけやっています!という方はとても少ないでしょう。
デイトレード、スイングトレードやトラップ系の取引をする方も大勢いらっしゃるでしょう。
そういった取引のことも考えれば、やはりスプレッドは狭いほうが望ましいです。このシリーズで通貨ペアを検討する際に取引可能な会社も紹介していますが、そこではスプレッドが狭い会社を選択しています。
では、ここでまとめをしましょう。
このシリーズで紹介している長期トレードの特徴は:
特徴1: トレードチャンスは少なく、長期間待つことが必要
特徴2: 利益になる場合も損失になる場合も、その大きさは巨大になりうる。
特徴3: トレードチャンスが長い時間継続する
特徴4: スプレッドはあまり大きな問題ではない
とても特徴的ですので、この方法がとても気に入った!という方も、どうかなあ?という方もいらっしゃることでしょう。気に入っていただけましたら、引き続きこのシリーズをご愛顧くださいますようお願いします。どうかなあ?という方も、このシリーズから新しい情報を得られるかもしれません。末永くお付き合いくださいますよう、お願いします。
また、特徴4で「
取引したい通貨ペアを扱っているか」が重要だと書きました。この問題で困らないためには、取扱い通貨ペアが多いことが必要です。LIONFXは50種類の通貨ペアを扱っていますので、通貨ペアがなくて困るという可能性が低くなります。
FX通貨ペア分析シリーズ
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