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米国政策金利が上昇すると、なぜ米ドル/円(USD/JPY)は円高になるのか

2015/04/13


米国政策金利の上昇と米ドル/円(USD/JPY)の関係を繰り返し記事でお届けしています。今回は、米国の政策金利上昇がなぜ円高につながるのか、それをチャートでなく実体経済の面から考えます。


最初に、今まで考察してきた内容をざっくり復習しましょう。下のUSD/JPYチャート図をご覧ください。赤の曲線が為替レートの動きです。



1の期間は米国が政策金利を上げる前の状況です。過去3回のUSD/JPYは円安になっており、今回も同じ動きをしました。

アメリカの政策金利が上がると、ドル円(USD/JPY)はどうなる?」の記事を公開したのは2014年9月です。このため、この記事を参考にして円安を予測し、成功をおさめた方がいらっしゃるかもしれません。

その後、1と2の境目で米国の政策金利が引き上げられます。そして、2の期間は半年から1年ほどです。円高の規模である4の大きさは10円から20円です。そして、3の期間で再び円安となっています。これが過去3回の米国政策金利上昇局面とUSD/JPYの関係です。

1の時点で過去の動きと同じように推移しましたから、2以降も依然としてあり得るという立場です。
 

では、実体経済の面から、米国の政策金利上昇とUSD/JPYを考えます。以下は頭の体操に近いですから、その点ご承知おきください。具体的な数字をあげて論じることが難しいので、これらの円高要因がどれほど大きいかを具体的に書くことができないためです。

円高になる経路は3つある可能性があります。順に考えましょう。

 

円高経路その1:


米国の政策金利上昇
→ 米国株式相場が軟調になる
→ 日本の株式市場も軟調になる
→ リスク回避の円高発生

米国に限らず、政策金利が引き上げられるか?という話が出ると株式相場は下落する傾向にあります。その理由は比較的簡単です。

(1) 金利が引き上げられれば、価格変動リスクが大きい株式よりも、債券を買って安定した金利を稼ごうとする人が次第に増えるでしょう。すると、株式市場から資金が引き上げられて債券市場にお金が入ることになります。すなわち、株式相場の下落です。

(2) 金利が引き上げられると、企業が資金を調達するためのコストが高くなります。すると、今までなら実行していた投資案件が見送られるということも出てくるでしょう。すなわち、企業業績に一抹の不安が出てくることになります。

企業業績の伸びが鈍化すると予想されれば、株式相場は下落するでしょう。日本の株式相場と米国の株式相場の連動性が指摘されることがしばしばあります。そして、日本の株式市場とUSD/JPYの連動性についても同様です。

米国株安 → 日本株安 → 円高

このような経路で円高になるというシナリオです。

 

円高経路その2:


米国の政策金利上昇
→ 米国の安い金利で借金して、金利の高い新興国等に投じられていた資金が米国に戻る
→ 新興国等の経済に波乱発生
→ リスク回避の円高発生

現在の米国の政策金利は0~0.25%です。極めて低い金利水準です。そこで、米国で低い金利で資金を大量に調達して、比較的金利の高い新興国等で運用したり投資したりしている経済主体があることでしょう。

しかし、米国の政策金利がゆっくりとはいえ引き上げられるようになると、この行動は難しくなります。

新興国での投資活動には、いくらかのリスクが伴います。金利差を考慮すれば何とか投資できるという状態の案件も多数あるかもしれません。ところが、米国の政策金利が上昇して資金調達コストが上昇すると、新興国等のリスクに見合わなくなるかもしれません。

そうなると、新興国等から資金を引き揚げて米国内で返済することになります。

一方、いきなり資金を引き上げられる新興国等は困ったことになります。今まで頼りにして経済活動をしていた資金がいきなりなくなるのです。予定されていた行動はキャンセルとなり、返済等で困難な事態になるかもしれません。

これが小規模ならば問題ないでしょうが、ある程度の規模を伴って発生すると、新興国等の景気自体に影響が出てきます。

すると、リスクに敏感な筋がリスク回避行動をとり、USD/JPYが円高になるというシナリオです。

 

円高経路その3:


米国の政策金利とUSD/JPY相場の連動性について知っている人々や、上記1と2について懸念している人が、米国の政策金利上昇と同時にUSD/JPYを売り出すというシナリオです。

これもあるでしょう。
 

実際に円高になるのかどうかも含め、事前に為替の動向を確定することはできません。そこで、予断せず相場の流れに乗るようにトレードしましょう。

なお、USD/JPYを取引できる会社は数多くあり、各社のスプレッドもとても狭いです。今回は、早朝や指標発表時でもスプレッドが広くならない口座としてマネーパートナーズのFXnanoをご紹介します。

米国の金利引上げが決まるときには為替レートが大きく動く可能性があります。その時を狙ってトレードするには、スプレッドの狭さとともに、スプレッドが広がらないという点も注意を払いたいです。
 
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著者情報

ゆったり為替
FXで生計を立てていますが、取引回数は少ない「ゆったりトレード」です。 FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日です。ゆったり為替が日々更新しているブログは、こちら【FXゆったりトレード派】http://yuttari-fx.com/

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